先日、しゅうさんからメールで詳細なレポートを頂いたのですが、読者が私だけじゃもったいないと思って、しゅうさん了承の上にアップします。
という事で、今回は番外編として、しゅうさんが初のフルマラソンで参加した、「掛川マラソン2008」の参加レポートをご紹介します~(^ー^)ノ
今年で第3回を迎える「掛川・新茶マラソン」は、つま恋をスタート・ゴールとし、新茶の香りいっぱいの沿道と、武田・徳川攻防の地として有名な「高天神城跡」「横須賀城」を横目に駆け抜ける新しいコースです。
■期 日: 2008年4月20日(日) 開会式 午前9時15分
■会 場: 静岡県掛川市「つま恋」スタート午前10時
■種 目: フルマラソン(42.195km)/マラソン(10.0km、5.0km/ファミリー(3.5km)/1kmファンラン
■受 付: 前日午後1時~5時/当日午前7時半~9時半
■その他: 大会当日のシャトルバスは、掛川駅南口⇔「つま恋」間(約10分・有料)とエコパ駐車場⇔「つま恋」間(約20分無料)とで運行します。
大会公式ホームページ:掛川・新茶マラソン
私のフルマラソン初挑戦当日の朝は、深夜の起床から始まりました。
隣県の開催ということで移動時間のこともあったのですが、昨年の大会参加者のブログ記事で、当日、車での会場乗り入れはできなくて、離れたところからシャトルバスで会場乗り入れになるのですが、このシャトルバスが時間が遅くなると行列になり、ブログを書かれた方はその混雑にはまり、到着が予想を大幅に遅れ、バタバタ状態でスタートしたと書いてあったので、少しでも早く現地に着いておいたほうがいいということで、AM2時に起床。前日の焼肉の影響で、しっかり胃もたれ状態。いきなりパンシロンのお世話になりました(ドーピングですね)。
朝食用と走り終わった後のお昼用におにぎりを握って、自宅を出発したのがAM3時。東名高速を走り袋井インター降りて、案内状に書かれてあった選手用駐車場のある小笠山総合運動公園についたのが5時。ところがこの運動公園、非常に大きな公園で入り口が2箇所、片方が袋井ゲート、片方が掛川ゲートと書いてあり、郵送の案内状には最寄の入口はどちらとも記載がない。明け方の薄暗がりでは、さっぱりわからず、ただ心情的に掛川の大会だから掛川ゲートだろうと閉まった門の前で待っていると、同じ輩が数台あとからやってきました。15分ほどしたら、公園の管理人が運動公園の中からやってきたので聞いたら、たぶん袋井側じゃないかという話で、すでにあちらは開門していて、こちらはまだ開けないと言う悲しいお知らせでした。
この公園、けっこう大きな公園で反対のゲートまで車で5分くらいかかります。すでに開いていた袋井ゲートからようやく選手用駐車場に到着。シャトルバスが出発する6時半まで朝ごはんのおにぎりを食べながら時間をつぶし、1番バスに乗ってスタート会場のつま恋リゾートに到着しました。
当日は未明から雨が降ったりやんだりの天気で、会場に着いた頃は薄曇り状態。
スタート会場の多目的広場は芝生になっていたのですが、水溜りはないものの足を踏むと、じわーっと水が浮いてくる状態。そこで座り込むわけにもいかず、受付開始までどうしようかなと思っていたら、案内では7時半から受付開始のはずが、今からでもいいとのことだったので、さっそくゼッケンを引き換えました。
一緒にもらえた記念品は、土地柄、お茶と大会のネームの入ったタオルでした。
着替えや準備運動をしながらやがて開会セレモニーの時間になりました。
当日はフルマラソンが2917名のエントリー、3キロ~10キロのジョギング大会の参加者も合わせて4726名エントリーの大会でした。
開会のセレモニーも終わり、いよいよフルマラソンのスタート時間の案内放送が流れました。
スタートゲートにいくと、30分刻みで到着予定時間のプラカードを持った人がいて、各自、自分の設定タイムのところに並んでくださいと案内。
私は初マラソンでサブ4狙いの野望を持ち4時間~4時間30分と書かれたプラカードのすぐ後ろで待機しました。
この大会は、ペースメーカーさんが3時間、4時間、5時間設定に各々2名付いてくれることになってまして、私の目の前に、目印ということで帽子に風船をつけ、蛍光色のベストを着たペースメーカーさんがやってきました。このペースメーカーさんに最後までついていけば、夢の3時間台でめでたくゴールということです。
いよいよスタート。
スタートゲートは幅の狭い周回道路に設置されていたので、号砲が鳴ってからゲートを通過するまで約2分かかりました。
コースはつま恋を出てから、大きなアップダウンが3回あって、最後の1回は30キロ付近からの登りと、最後41キロ過ぎてつま恋の入り口からゴールの多目的広場までが、いやがらせのように登り道になっているクロスカントリーみたいなコース設定です。
スタート直前に、ペースメーカーさんから、コース条件から、後半かなりのペースダウンとなることが想定されるので、前半の折り返しまでにペースを上げて走り、タイムの貯金をして、その貯金を後半は食いつぶして、ゴールまで走るという設定でいきますと説明がありました。
均一ペースですと42キロ4時間ということは、5キロは28分30秒くらいのペースでちょうど4時間になります。
最初の5キロは、走列が落ち着くまで団子状態になり、思ったようにペースがあがらず28分30秒くらいで通過となりましたが、走列が落ち着いてきたらいよいよ貯金分をかせぐため5キロ26分30秒程にペースを上げて走ることになりました。
前半は、それでも自分の中ではさほど問題なくついていくことができました。
20キロの表示を越したところでペースメーカーさんから、当初予定では折り返しを過ぎたらペースを下げる予定だったけど、スタート直後からのもたつき分が予想外にあったので予定よりタイムが遅れ気味だったのと、当日の天気がよく気温も上がり傾向だったので、平坦路を走っているうちに、さらにタイムの貯金をしておかないと後半の坂になってから、ペース維持がきつくなるから、25キロあたりまでこのままのペースで走るから、みなさんがんばってついてきてくださーいと方針変更の話がありました。
ここらで少し楽ができるかと思っていたのでちょっときついなと感じましたが、それでもまだなんとかついていけていたので、大丈夫かなと思っていたのですが、25キロを過ぎたあたりから少し呼吸が乱れ気味になってきました。
間の悪いことにゼッケンを留めていた上側片方の安全ピンの穴が破れてしまいました。ゼッケンの裏には計測タグが付いているので重さでゼッケンがブラブラになって、このままではもうひとつのピン穴も破れてしまったら大変なことになると、走りながら下側を留めていた安全ピンを抜いて、上側にはめ直しをしてるうちに走るリズムがおかしくなってしまいました。
そしてさらなる試練が26キロ過ぎの給水ポイントにまっていました。
4時間ペースの集団のちょっと前に大きな集団が形成されていたようで、その集団が一時に給水に固まったみたいで、自分たちが給水ポイントに着いたら、係りの人が大慌てで空のコップを並べて水をいれようとしているところでした。
前に走ったハーフマラソンでは給水で失敗した経験があったので、給水前には、少しペースを上げて先に出て、余裕をもって給水してからまたペースメーカーさんの後ろに入るという作戦をとっていたのですが、たどり着いた給水ポイントには水の入っていないコップしかなくて、ひしゃくで水を入れてもらうのも順番待ちになってしまい、やっと給水にありついて走列に戻ったときにはペースメーカーさんと10mくらい差がついてしまいました。
前半のスタミナがある状態だったら、すぐに立て直して追いつけたのですが、きっと4時間のペースについていけるのはあのあたりまでが今の私の実力の限界だったんだと思います。
差は縮まることなく暫く走り、コースが左に折れるといよいよ後半の登り坂がやってきて、もはや私にはペースメーカーさんに追いつくこと以前についていくだけの力も残っていなくて、次第に目印の風船は視界から離れていきました。(あぁ、サブ4が遠くなっていくぅ~って感じでした)
この登り坂に入ると路肩には、立ち止まってしまう人、足が攣ってしまい一生懸命屈伸をしている人、もう走れなくて歩いている人などが急に目立つようになってきました。やはりフルマラソンは30キロからが勝負ですね。(おまけにかなりの登り坂ですから)
初フルマラソンでいきなりサブ4は無謀な目標ですが、自分の中では足きりにかかることなく完走が最低目標である以上に、走り出したら途中で止まらない、歩かないようにだけはどんなことがあっても成し遂げたいと思っていたので、ペースが落ちてきてからの登りはかなりしんどかったですが、歩幅を狭めてでもとにかく歩かずに前進、前進でした。
立ち止まってしまえば勿論1センチも進みませんしね。どれほどペースがノロノロでも走ることを続けていれば、歩いているより、確実に早く進むということがわかりました。20キロ過ぎあたりまでに自分の横を颯爽と駆け抜けていった人の顔も何人かその先で見ることになりました。ペースは相当落ちた状態で走っていましたが、止まってしまったり、歩いている横をモタモタと抜いたあと、結局ゴールまで追いつかれることはありませんでした。(うさぎとかめの話みたいです)
少しでもペースをあげて走ること以前に、スタートからゴールまで立ち止まらない、歩かないレースを心がけ、そのためにペースを少々落としてでも走ることのほうがフィニッシュタイムはいい結果が出ることもあると思います。どれだけ前半飛ばしても、それが原因で途中で立ち止まる、歩くということになってしまうとタイムにかなりの影響が出てしまいます。長距離走って、いかに一定のペースで走りきるということが大事かということを今回改めて実感させられました。
給水所は約5キロおきにあり、水とゲータレードが出されていました。
このゲーターレードが私にはけっこう曲者で、口当たりがとても甘く感じられ、べたっとした後味として残ってしまいました。そこでどうしても水のほうを選ぶことになるのですが、発汗でナトリウムがかなり出てしまったのか、練習でも足が攣るなどということは皆無だったのですが、35キロの山のてっぺん付近で初めてふくらはぎが攣りそうになりました。もう頂上付近だったので、無理せずに歩幅を狭めて走り一旦はおさまりましたが、ゴール直前でまた攣りそうになりました。もうフィニッシュゲートは目の前(約200m先)でしたので、そのままなだれ込むようにゴールとなり、私の初フルマラソンは無事完走で終えることができました。
10キロ毎の公式ラップタイムと途中の自分の時計で測った値から計算した5キロ換算ペースは、
00-10キロ 28分13秒
10-20キロ 26分35秒
20-30キロ 29分36秒
30-35キロ 35分14秒
35-40キロ 32分42秒
40-42キロ 35分07秒
やはり30キロ前からは、坂のこともありますが、明らかにスタミナ切れでした。
レースが済んだあとは、走る前には、会場で昼ごはんを食べるとか、帰りに近くの温泉で疲れをとるとかあれこれ考えていたのですが、相当に疲れてしまっていて着替えをする元気もなく、背中のゼッケンを外すこともおっくうで、荷物を受け取ると、とにかくシャトルバス乗り場に向かうことにしました。
レースでは、つま恋の敷地内に入ったところからゴールまでの登り坂に苦しめられましたが、帰りはつま恋の南ゲート出口までが下りで、さらに拷問のようにゲート出口からシャトルバス乗り場までが登りになっていて、走り終えたガクガクの足にはかなり堪えました。
やっとの思いでバス乗り場に着いたときには完全に足がいってしまっていて、バスのステップに足が上がらず苦痛に顔を歪めながらの乗車でした。
シャトルバスに揺られ総合運動公園まで送ってもらい、自分の車にようやくたどり着いたのですが、疲労の極致でもはや食欲もなく、せっかく早起きして作ったお弁当も食べることもできず車内でうずくまっていました。
シューズを脱いだら、左足の薬指に指の半分くらいの大きさの血豆までご褒美に付いていました。(どうりで途中から足が痛かったはず)しばらくじっとしていたらようやく動けるようにはなったのでとにかく自宅に向けて出発しようと思ったのですが、行きに履いてきたスニーカーに足がどうしても入らなくて、結局素足で運転することになりました。(これは反省材料ですね。かかと付きのサンダル等を用意したほうがいいです)
総合運動公園を出発し、袋井インターから東名高速に入ったのですが、疲労は一向に回復せず、運転を続けることもきつかったのですぐ次のパーキングエリアに車を入れて、リアシートで横になり結局1時間ほど寝ることになりました。この1時間のインターバルでようやく復活でき、起きたらおなかも動きだしたので、遅い昼食をとりました。
からだも落ち着いたので、紐を目いっぱい緩めて、なんとかスニーカーを履き、車外に出たところ、午後のパーキングエリアには、かなり疲れた顔をして、ジャージを着て、おかしな足取りで歩いている人がいっぱいいて、なんだか笑えました。(仲間、仲間♪)
ひとりで会場に来て走ったので、当然のことながら知り合いもなく、個別に祝福してくれる人もいませんでしたが、ゴールしたあとでゲートから離れたところからぽつんと一人でゴールラインを振り返ったら、走りはじめてからのいろんなことが頭に浮かんできて、年甲斐もなくちょっとだけうるっときました。(これがもしホノルルの地だったら、さらに何か感激があってそれこそ号泣とかしたのかもしれませんね^^)
自分としては、ホノルルマラソンには及ばない場所で、大会規模も小さいレースだったけど初フルマラソン、がんばって走れた方かなと思いました。(中年のおっちゃんには、ちょうどいいちょっとじみーなデビューだったかもしれません。)
++++
しゅうさん、本当にお疲れ様でした(^ー^)ノ
初フルで高低差がキツイのに、4時間9分38秒ってホントすごいです。
体験談を読んでると、自分も走ってる気持ちになりますね。
臨場感のあるすばらしい体験談は、来年以降参加する人にとって、
とても参考になると思います(^ー^)ノ
しゅうさん、ありがとうございました♪
投稿:しゅう | 2008年05月03日
つかさま、こんにちは。
せいログさま、イッシーさま、コメントありがとうございます。
せいログさま。
私もレース初挑戦は、2月のハーフが初でした。(1時間40分もかかってしまいましたが・・^^;)
レースって出てみないとわからないことが多いですね。距離だけでないいろいろなことがあります。私の場合、出る前に周りの経験者から言われていましたが、やっぱり先行する集団にひっぱられてペースを上げすぎて、練習ではありえないペースで走ってしまいました。こういうハイペースランは、終わったあともけっこう身体にダメージとして残りますので、せいログさんの体力にもよるので一概には言えませんが、ひとつ大きなレースに出た後、次のレースをいつ、どんな距離のレースに出るのかは、充分に検討をされたほうがいいかもしれません。
ハーフもきつかったですが、フルは筋肉痛が去ったあともなかなか疲れがとれずに、走り出しまでけっこうかかってしまいました。
投稿:イッシー | 2008年05月02日
初マラソンで、4時間9分とは素晴らしいことです。日頃のトレーニングの成果だと思います。小生の初は、20年以上前で4時間35分でした。それが自己最高となり、今ではホノルルを7時間30分かけて歩くのが楽しみとなってます。タイムを縮めるのは練習の励みになりますが、長く続けるには、走ることそのものを楽しむのも必要だと思います。サブ4を達成したら、のんびり往きましょう。(次の目標が出来るかもしれませんが)
投稿:つかちゃん | 2008年05月01日
◆せいログさん、しゅうさん◆
しゅうさん、レポートありがとうございました♪
せいログさんもおっしゃってるように、
しゅうさんのレポート参考にする人がたくさんいると思いますよ(^^)
投稿:しゅう | 2008年04月30日
つかさま。
つたない文章でしたが、掲載していただきありがとうございました。
こうして、つかさまのブログに自分の書いたものが体裁を整えていただき掲載されたものをPCの画面を通してみると、なんだか少し気恥ずかしいですね。
ブログをご覧のみなさまの中で最後まで読んでいただけた方、ありがとうございます。
投稿:せいログ | 2008年04月30日
しゅうさん、はじめまして。お疲れ様でした。
私は先日ハーフ初挑戦したばかりで、まだフルマラソン未経験なので非常に参考になりました。目標タイムも同じくらいなので、次に走るときの参考にさせていただきます。